汎用プロンプトテンプレート集 - AIとの対話を劇的に効率化!

1. はじめに / このテンプレート集の使い方

この資料は、AI(特にChatGPTのような大規模言語モデル)をより効果的に活用したいと考えているあなたのために作成されました。関連ブログ記事で解説したプロンプト設計の原理原則を、すぐに実践できる形で提供します。

このテンプレート集で得られるメリット:

  • 時間削減: ゼロからプロンプトを考える手間が省け、すぐにAIを活用できます。
  • 精度向上: 効果的なプロンプト構造を理解し、AIから期待通りの回答を得やすくなります。
  • 応用力UP: テンプレートのカスタマイズを通じて、様々なタスクに応用できるプロンプト作成スキルが身につきます。
  • 理解促進: なぜそのプロンプトが有効なのか、構造(構成要素)の重要性を体感的に学べます。

効果的な使い方:

  1. 目的のテンプレートを選ぶ: まずは、実行したいタスクに合ったテンプレートを選びましょう。
  2. コピー&ペースト: プロンプト雛形をコピーし、お使いのAIチャットツールに貼り付けます。
  3. [ ] の部分をカスタマイズ: あなたの具体的な目的や状況に合わせて、[ここに〇〇を入力] と書かれた部分を書き換えます。カスタマイズのヒントを参考にしてください。
  4. 実行&改善: AIに送信し、得られた結果を確認します。もし期待通りでなければ、プロンプトを少し修正して再度試してみましょう。

このテンプレート集が、あなたのAI活用を加速させる一助となれば幸いです。


2. 目的別プロンプトテンプレート

ここでは、日常業務や学習でよく使われる5つのタスクに対応したプロンプトテンプレートを紹介します。各テンプレートは、関連ブログ記事で解説した7つの構成要素(役割、指示、文脈、制約、出力形式など)を意識して設計されています。

2.1 要約用プロンプトテンプレート

推奨利用シーン:

  • 長文のニュース記事やレポートの内容を短時間で把握したい時。
  • 会議の議事録や資料の要点を整理したい時。

プロンプト雛形:

# 役割
あなたは熟練の編集者です。

# 指示
以下の文章を要約してください。

# 文脈
* **要約対象の文章:**
    ```
    [ここに要約したい文章全体を貼り付け]
    ```
* **想定読者:** [例: 忙しいビジネスパーソン、専門知識のない学生など]
* **要約の目的:** [例: 内容の概要を素早く理解するため、重要なポイントをリストアップするためなど]

# 制約
* **文字数:** [例: 300文字以内, 元の文量の30%程度など]
* **含めるべき要点:** [例: 最も重要なポイントを3つ含める, 結論を必ず含めるなど。特になければ「特になし」と入力]
* **口調・トーン:** [例: 客観的かつ簡潔に, 分かりやすく丁寧になど]

# 出力形式
* [例: 箇条書きで出力してください, ですます調の文章で出力してください]

カスタマイズのヒント:

  • [ここに要約したい文章全体を貼り付け]:対象となる文章を正確にコピー&ペーストしてください。WebページのURLを指定できるAIもあります。
  • [想定読者]:誰に読んでもらうための要約か指定すると、表現や専門用語のレベルが調整されやすくなります。
  • [要約の目的]:何のために要約するのかを明確にすると、AIが重視すべき点を理解しやすくなります。
  • [文字数]:具体的な文字数や割合を指定することで、望む長さの要約が得られます。
  • [含めるべき要点]:特に強調したい内容があれば指定します。
  • [口調・トーン]:要約文全体の雰囲気を指定できます。
  • [出力形式]:箇条書き、段落形式など、希望するフォーマットを指定します。

構造解説(「なぜこの構造なのか?」):

  • 関連ブログ記事で解説したように、「役割」を与えることでAIの視点や能力を特定分野に特化させ、要約の質を高めます。
  • 「文脈」(想定読者、目的)を提供することで、誰のための、何のための要約なのかを明確にし、より適切なアウトプットを引き出します。
  • 「制約」(文字数、含めるべき要点、トーン)は、AIの自由度を適切に制限し、具体的で使いやすい結果を得るために不可欠です。文字数制限は簡潔さを、要点指定は網羅性を、トーン指定は一貫性を担保します。
  • 「出力形式」を指定することで、後続の作業(資料への転記など)が容易になります。

2.2 アイデア出し用プロンプトテンプレート

推奨利用シーン:

  • ブログ記事の新しいテーマや切り口を考えたい時。
  • 新商品の企画やキャッチコピーのアイデアが欲しい時。
  • イベントやキャンペーンのアイデアをブレインストーミングしたい時。

プロンプト雛形:

# 役割
あなたは創造的で経験豊富な [例: マーケター, ブロガー, プランナー] です。多様な視点から斬新なアイデアを生み出すことを得意とします。

# 指示
以下のテーマに関する新しいアイデアを提案してください。

# 文脈
* **アイデアを考えたいテーマ:** [例: サステナブルなライフスタイル, 中小企業向けの新しいマーケティング手法, 夏休み親子向けイベントなど]
* **ターゲット:** [例: 20代女性, IT企業の経営者, 小学生とその保護者など]
* **アイデアの目的・ゴール:** [例: ブログ記事のアクセス数を増やす, 新商品の認知度を高める, イベント参加者満足度を向上させるなど]
* **現状や背景(任意):** [例: 競合は〇〇のような企画を実施している, ターゲットは〇〇に関心が高いなど]

# 制約
* **アイデアの個数:** [例: 10個]
* **重視する視点:** [例: 斬新さ, 実現可能性, 低コスト, ターゲットへの響きやすさなど。複数指定可]
* **アイデアの方向性(任意):** [例: オンラインで完結するもの, 意外性のある組み合わせ, 社会貢献につながるものなど]

# 出力形式
* [例: 箇条書きリスト形式で、各アイデアに簡単な説明を添えてください]
* [例: 「アイデア名」「簡単な説明」「ターゲットへの響きポイント」の形式で表にしてください]

カスタマイズのヒント:

  • [役割]:アイデアを出したい分野に合わせて、AIの専門性を指定しましょう。
  • [アイデアを考えたいテーマ]:具体的であるほど、的確なアイデアが出やすくなります。
  • [ターゲット]:誰に向けたアイデアかを明確にします。
  • [アイデアの目的・ゴール]:アイデアによって何を実現したいかを伝えます。
  • [重視する視点]:アイデアを評価する基準をAIに示します。これにより、単なる思いつきではない、目的に沿ったアイデアが期待できます。
  • [アイデアの方向性]:特定の切り口や条件があれば指定します。
  • [出力形式]:見やすいフォーマットを指定すると、アイデアの比較検討がしやすくなります。

構造解説(「なぜこの構造なのか?」):

  • 「役割」設定は、AIに特定の専門家になりきらせることで、その分野ならではの発想を引き出す効果があります(関連ブログ記事参照)。
  • 「文脈」(テーマ、ターゲット、目的)は、アイデア出しの土台となる情報です。これらが明確であるほど、AIは的を射た、価値のあるアイデアを生成しやすくなります。背景情報も加えるとさらに精度が上がります。
  • 「制約」(個数、重視する視点、方向性)は、発想を特定の方向に導き、質をコントロールする役割を果たします。特に「重視する視点」は、アイデアの評価軸をAIと共有するために重要です。
  • 「出力形式」の指定は、大量のアイデアを整理し、比較検討する上で役立ちます。

2.3 文章校正・リライト用プロンプトテンプレート

推奨利用シーン:

  • 作成したメール、レポート、ブログ記事などの誤字脱字や文法的な誤りがないか確認したい時。
  • 文章表現をより分かりやすく、読みやすく、あるいは特定のトーンに修正したい時。

プロンプト雛形:

# 役割
あなたはプロの編集者・校正者です。文章の正確性、明瞭性、一貫性に細心の注意を払います。

# 指示
以下の文章に対して、[例: 誤字脱字・文法ミスのチェック, より自然で読みやすい表現へのリライト, 指定したトーンへの修正] を行ってください。

# 文脈
* **元の文章:**
    ```
    [ここに校正・リライトしたい文章を貼り付け]
    ```
* **文章の種類:** [例: ビジネスメール, ブログ記事, プレゼン資料の原稿など]
* **想定読者:** [例: 取引先の担当者, Webサイトの訪問者, 社内メンバーなど]
* **文章の目的:** [例: アポイントのお願い, 製品の紹介, 情報共有など]

# 制約
* **校正・リライトのレベル:** [例: 誤字脱字と基本的な文法ミスのみ修正, 全体的に表現を洗練させる, 専門用語を平易な言葉に置き換えるなど]
* **維持したい点(任意):** [例: 元の文章の主要なメッセージは変えない, 特定のキーワードは残すなど]
* **希望する口調・トーン:** [例: 丁寧でフォーマル, 親しみやすくカジュアル, 専門的で客観的など]

# 出力形式
* [例: 修正後の文章全体を出力してください]
* [例: 変更箇所がわかるように、修正前後の比較形式で出力してください]
* [例: 修正点とその理由をリスト形式で示してください]

カスタマイズのヒント:

  • [指示]:具体的に何を依頼するか(校正のみか、リライトまで行うか)を明確にしましょう。
  • [元の文章]:対象の文章を正確に貼り付けます。
  • [文章の種類], [想定読者], [文章の目的]:これらの文脈情報は、AIが適切な言葉遣いや表現を選ぶ上で非常に重要です。
  • [校正・リライトのレベル]:どの程度の修正を望むかを指定します。簡単なチェックか、大幅な書き換えかなどを伝えます。
  • [希望する口調・トーン]:文章全体の雰囲気を指定します。特にリライトを依頼する場合に重要です。
  • [出力形式]:どのように結果を表示してほしいか指定します。「変更箇所がわかるように」と依頼すると、レビューがしやすくなります。

構造解説(「なぜこの構造なのか?」):

  • 「役割」を編集者・校正者とすることで、AIは文章の質向上というタスクに集中し、細部への注意力が向上します。
  • 「指示」で校正かリライトか、その目的を明確にすることで、AIの作業範囲を定義します。
  • 「文脈」(文章の種類、読者、目的)は、適切な表現やトーンを判断するための根拠となります。関連ブログ記事で述べたように、文脈がなければAIは最適な修正を行えません。
  • 「制約」(修正レベル、維持したい点、トーン)は、修正の度合いや方向性をコントロールし、意図しない変更を防ぐために役立ちます。
  • 「出力形式」によって、修正内容の確認や反映作業の効率が変わります。

2.4 ペルソナ作成支援プロンプトテンプレート

推奨利用シーン:

  • マーケティング戦略を立てる上で、ターゲット顧客の具体的な人物像(ペルソナ)を設定したい時。
  • 新しい製品やサービスの開発において、利用ユーザー像を明確にしたい時。

プロンプト雛形:

# 役割
あなたは経験豊富なマーケティングリサーチャーです。データと洞察に基づき、具体的な顧客ペルソナを作成することを得意とします。

# 指示
以下の情報に基づいて、ターゲット顧客のペルソナを作成してください。

# 文脈
* **製品/サービス:** [例: 健康志向の方向けのオーガニックスムージー, 中小企業向けの勤怠管理システム, オンライン英会話サービスなど]
* **ターゲット市場の概要:** [例: 都市部に住む20代~30代の働く女性, 従業員数50名以下の製造業, 海外旅行に興味のある大学生など]
* **想定される顧客の基本的な属性(分かっている範囲で):** [例: 年齢層, 性別, 職業, ライフスタイルなど]
* **顧客が抱えているであろう課題やニーズ:** [例: 健康的な食生活を手軽に送りたい, 勤怠管理の業務を効率化したい, 低コストで英会話を学びたいなど]

# 制約
* **作成するペルソナの数:** [例: 1名]
* **含めるべきペルソナの項目:**
    * 氏名(架空)
    * 年齢
    * 性別
    * 職業・役職
    * 居住地
    * 家族構成
    * ライフスタイル・価値観
    * 情報収集の方法
    * 製品/サービスに関連するニーズ・課題
    * 製品/サービスに期待すること
    * [その他、必要に応じて項目を追加]
* **ペルソナのリアリティレベル:** [例: 非常に具体的で詳細に, 代表的な顧客像として簡潔になど]

# 出力形式
* 指定された項目に基づいて、一人の人物像がイメージできるように記述してください。
* [例: 各項目を見出しにして、その下に説明を記述する形式]

カスタマイズのヒント:

  • [製品/サービス][ターゲット市場の概要]:これらが具体的であるほど、ペルソナの解像度が高まります。
  • [想定される顧客の基本的な属性][顧客が抱えているであろう課題やニーズ]:事前に分かっている情報を入力することで、AIはより現実に近いペルソナを生成しやすくなります。仮説でも構いません。
  • [含めるべきペルソナの項目]:自社のマーケティング活動に必要な項目を過不足なく指定しましょう。自由に項目を追加・削除してください。
  • [ペルソナのリアリティレベル]:どの程度詳細なペルソナが必要かを示します。

構造解説(「なぜこの構造なのか?」):

  • マーケティングリサーチャーという「役割」を与えることで、AIは市場や顧客に対する洞察力を働かせようとします。
  • 「文脈」で製品/サービスや市場、顧客の課題/ニーズを提供することは、ペルソナ作成の根幹です。これらの情報が多いほど、ペルソナは具体的で実用的なものになります(関連ブログ記事で解説した文脈の重要性)。
  • 「制約」で含めるべき項目を指定することは、ペルソナに含めるべき情報を定義し、チーム内での共通認識を持つために不可欠です。これにより、アウトプットの質と一貫性が保たれます。
  • 明確な「出力形式」の指定は、生成されたペルソナ情報を構造化し、後の分析や活用をしやすくします。

2.5 広告コピー生成プロンプトテンプレート

推奨利用シーン:

  • Webサイト、SNS、リスティング広告などで使用する広告文を作成したい時。
  • 特定の製品やサービスの魅力を短い文章で伝えたい時。

プロンプト雛形:

# 役割
あなたは経験豊富で実績のあるコピーライターです。ターゲットの心に響き、行動を促す広告コピーを作成することを得意とします。

# 指示
以下の情報に基づいて、魅力的な広告コピーを作成してください。

# 文脈
* **宣伝する製品/サービス:** [例: 新発売の高機能ワイヤレスイヤホン, 地元野菜を使ったレストランのランチコース, 初心者向けオンラインプログラミング講座など]
* **製品/サービスの主な特徴・強み:** [例: ノイズキャンセリング機能搭載、業界最長のバッテリー持ち, 農家直送の新鮮野菜、ヘルシーメニュー, マンツーマン指導、転職サポート付きなど]
* **ターゲット顧客:** [例: 通勤中に音楽を高音質で楽しみたいビジネスパーソン, 健康と食の安全に関心のある主婦層, 未経験からITエンジニアを目指す20代など]
* **広告を掲載する媒体:** [例: Instagram広告, Googleリスティング広告, メールマガジン, Webサイトのバナーなど]
* **広告の目的(期待する行動):** [例: Webサイトへのアクセス誘導, 資料請求, 無料体験への申し込み, 来店促進など]
* **最も伝えたい訴求ポイント(ベネフィット):** [例: 「騒音から解放され、音楽に没入できる体験」, 「家族に安心安全で美味しい食事を提供できる喜び」, 「未経験でもプログラミングスキルを習得し、キャリアチェンジを実現できる可能性」など]

# 制約
* **作成するコピーの案数:** [例: 5案]
* **各コピーの文字数制限:** [例: 見出し〇文字以内、説明文〇文字以内など、媒体の仕様に合わせて具体的に]
* **含めるべき要素(任意):** [例: 価格情報, キャンペーン内容, 限定感, 緊急性(例: 「今すぐチェック!」)など]
* **希望するトーン&マナー:** [例: 高級感を出す, 親しみやすく語りかけるように, 緊急性を煽るように, 信頼感を重視するなど]
* **使用を避けたい表現(任意):** [例: 誇大広告と捉えられかねない表現, 専門的すぎる用語など]

# 出力形式
* [例: 案ごとに見出しと説明文をセットにして、箇条書きで提示してください]
* [例: 各コピー案について、どのようなターゲット層に響くかの簡単な解説を加えてください]

カスタマイズのヒント:

  • [文脈] の各項目、特に [ターゲット顧客][最も伝えたい訴求ポイント(ベネフィット)] は、広告コピーの方向性を決定づける重要な要素です。できるだけ具体的に記述しましょう。製品の特徴(Feature)だけでなく、それが顧客にもたらす価値(Benefit)を意識することが重要です。
  • [広告を掲載する媒体] を指定することで、その媒体の特性(文字数制限、ユーザー層、使われ方など)に合わせたコピーが生成されやすくなります。
  • [制約][文字数制限] は、媒体の規定に合わせて正確に指定してください。
  • [希望するトーン&マナー] で、ブランドイメージに合った雰囲気を指定します。
  • [出力形式] で複数の案を要求し、比較検討できるようにするのがおすすめです。

構造解説(「なぜこの構造なのか?」):

  • コピーライターという「役割」は、AIにターゲット心理を突き、行動を喚起するという広告特有の目的意識を持たせます。
  • 広告コピーにおいて「文脈」は生命線です。製品、ターゲット、媒体、目的、訴求ポイントといった情報がなければ、効果的なコピーは作れません。関連ブログ記事で強調したように、これらの文脈を正確に伝えることが成功の鍵です。
  • 「制約」(案数、文字数、必須要素、トーン、NG表現)は、広告媒体の規定を守りつつ、意図したメッセージを効果的に伝えるために不可欠です。特に文字数制限は厳守する必要があります。トーン&マナーはブランドイメージを左右します。
  • 「出力形式」で複数案や解説を求めることで、最適なコピーを選びやすくなります。

3. おわりに / 次のステップ

この「汎用プロンプトテンプレート集」がお役に立ちましたでしょうか?

今回ご紹介したテンプレートは、あくまで出発点です。ぜひ、あなたの目的や状況に合わせて積極的にカスタマイズし、試行錯誤を繰り返してみてください。[ ] の部分だけでなく、役割設定を変えたり、制約を追加・変更したりすることで、AIの応答は驚くほど変わります。

このテンプレート集を使う中で、「なぜこの要素が必要なのだろう?」「もっとうまく指示するにはどうすればいいだろう?」といった疑問が生まれたら、ぜひ関連ブログ記事を読み返してみてください。プロンプトの各構成要素の意図や、より高度な設計原則についての理解が深まり、テンプレートをさらに使いこなせるようになるはずです。

AIは、使い方次第で強力なパートナーになります。このテンプレート集が、あなたがAIとのより良い対話を実現するための一歩となることを願っています。