
エクセルの表計算、いつも手作業で調整していて時間がかかる…

数値を入力するたびに、端数の処理で悩むんだよね…
そんな経験、ありませんか?
在庫管理、料金計算、時間管理…日々の業務で数値を扱う場面は多いけれど、「ちょうど良い数値」に丸める作業って、意外と手間ですよね。
- FLOOR関数の基本的な使い方をすぐに知りたい
- 在庫管理や料金計算でFLOOR関数を活用するイメージをつかみたい
- エラーが出た時の原因と解決策を知って安心して使いたい
この記事では、そんなあなたの悩みを解決するために、ExcelのFLOOR関数の基本的な使い方から、業務効率を上げる応用例、そしてエラー発生時の対処法まで、丁寧に解説します。
この記事を読めば、もう数値を調整する作業に時間を奪われることはありません!
さあ、FLOOR関数をマスターして、あなたの業務をよりスマートに、より効率的にしませんか?

無駄をなくして効率アップ!基準値に合わせた数値整理術

「FLOOR関数ってどんなもの?」数値を整理する関数です
FLOOR関数とは、与えられた数値を指定した基準値の倍数に切り下げるというもの。

馴染みのない人も多いかもしれませんが、これ実は結構便利なんです!
この関数を使うことで、小数点以下の端数を処理したり、特定の単位で数値を揃えたりすることができるようになるんですよね。
計算結果を常に一定の基準値で区切りたい場合や、端数処理による煩雑さを避けたい場合にちょうど良いんです。
「具体的にどんなことができるの?」基準となる数値の倍数で数値を切り捨て
FLOOR関数、こんな場面で活用できます。
在庫管理
「商品を10個単位の箱で管理したい」そんな時に、現在の在庫数から満たせる箱の数を把握したい、なんてことありますよね。そんな時こそFLOOR関数を使って切り捨てましょう。
例えば、在庫数が27個の場合、
=FLOOR(27, 10)
とすると、20になります。

これは、27という数字を10の倍数で切り捨てると「20」になるという意味ですね。
これで、2箱分の在庫があるってことがすぐにわかります。
これは便利ですよ!過剰な発注を防ぎ、倉庫スペースを有効活用できる、まさに縁の下の力持ちって感じなんです。
文具店で鉛筆を12本入りの箱で管理しているとします。今の在庫数が158本だった場合に、満たせる箱の数を計算したいとしましょう。
A1セルに総数、B1セルに箱の入数を入力し、C1セルに
=FLOOR(A1, B1) & "本 (" & FLOOR(A1, B1) / B1 & "箱)"
と入力します。
すると、以下の画像のように、「満たせる本数と満たせる箱数」を同時に表示することができるんです。

156本使用して13箱作り、2本あまるということが一目でわかりますね!楽ちん!
料金計算
時間単位で料金が設定されているサービスで、実際の利用時間に基づいて請求額を計算することってありますよね?
例えば、請求単位を30分単位で切り捨てる場合を考えてみましょう。仮に利用時間が75分だとすると、
=FLOOR(75, 30)
は「60」になります。

これで「60分」分の料金を計算すればいいということがわかります。

他にも時間管理などで活用できますが、内容としては似た感じになるため割愛しますね!
こうやって使うことで端数処理による煩雑さを解消し、計算や管理を効率化できるというわけです。
また、常に一定の基準で数値を扱うことで「データの整合性を保ち、分析作業を容易にする」というメリットもありますね。
基準値で数値を整える!基本操作をマスター

「FLOOR関数の書き方、教えて!」具体的な構文は?
次はFLOOR関数の基本的な書き方について。
=FLOOR(数値, 基準値)
引数には、「数値」と「基準値」の2つを指定します。
- 数値
- 基準値
これは、文字通り「切り捨ての対象となる数値」を指定します。数値を直接入力してもいいですし、数値が入力されているセルを指定することもできます。
こっちは、「切り捨ての基準となる倍数」を指定します。
例えば、10の倍数に切り捨てたい場合は10を、5の倍数に切り捨てたい場合は5を指定しましょう。ここは絶対に省略できないので、注意してください。
あと、基準値には、正の数値を指定する必要があります。
「実際にやってみよう!」基本の使い方
やっぱり、実際に使ってみるのが一番わかりやすいですよね!
具体的な例を見てみましょう。
商品の在庫数を10個単位で管理したい
まず、セルA1に現在の在庫数として「17」と入力してください。
次に、結果を表示したいセルに
=FLOOR(A1, 10)
と入力すると、結果として「10」が表示されます。

これが、17を10の倍数に切り下げた結果です。めちゃ簡単!
合計金額を100円単位で切り捨てたい
セルA1に合計金額として「1285」と入力しましょう。
結果を表示したいセルに
=FLOOR(A1, 100)
と入力すると、結果として「1200」が表示されます。

これが、1285を100の倍数に切り下げた結果というわけですね!
作業効率を格段に上げる!FLOOR関数の応用術

「他の関数と組み合わせると…?」連携でさらに便利に!
FLOOR関数は、単体で使っても便利ですが、他の関数と組み合わせることで、さらにパワフルな処理ができるようになるんです。
IF関数との組み合わせ
在庫数が一定数以下になった場合に発注アラートを表示させることができるため、すごく便利ですよ!
=IF(FLOOR(A1, 10)<50, "発注", "")
このように使うと、在庫数(A1セル)を10単位で切り捨てた結果が50未満の場合に「発注」と表示されます。

これで、自動的な在庫管理が可能になるってわけですね。
VLOOKUP関数との組み合わせ
商品の発注数を決める時に、現在の在庫数をFLOOR関数でロット単位に切り捨てて、その結果をVLOOKUP関数の検索値として使い、発注数や納期などの情報を参照するなんてこともできます。
例えば、
=VLOOKUP(FLOOR(A1, 50), 商品マスター!A:B, 2, FALSE)
のように使うと、在庫数(A1セル)を50個単位で切り捨てた結果に基づいて、商品マスターから対応する発注数を取得可能です。
・商品マスターシートのA列にロット数(例:50, 100, 150)
・B列に発注数
が記載されているとします。

在庫管理シートのA1セルに現在の在庫数が入力されている場合、発注数を自動で表示させたいとしますよね。
そんな時は、セルB1に
=VLOOKUP(FLOOR(A1, 50), 商品マスター!A:B, 2, FALSE)
と入力します。
もしA1に「128」と入力されている場合、「=FLOOR(128, 50)」 は「100」となるので、VLOOKUP関数は商品マスターシートのA列から「100」を検索し、その行のB列に記載されている「300」を表示してくれる、というわけです。

SUMPRODUCT関数との組み合わせ
複数の商品の合計金額を一定の単位で切り捨てて計算する場合に使えます。
例えば、各商品の数量と単価が別々の列にある場合に
=FLOOR(SUMPRODUCT(A1:A5, B1:B5), 1000)
とすると、数量と単価の積の合計を計算して、その結果を1000円単位で切り捨てることができるんです。これは、予算管理や概算見積もりなどに役立ちますね。

ROUNDDOWN関数との比較
ROUNDDOWN関数も数値を切り捨てる関数ですが、指定した桁数で切り捨てるのに対し、FLOOR関数は指定した「基準値」の倍数で切り捨てる点が異なります。
例えば、123.45を小数点以下切り捨てたい場合は
=ROUNDDOWN(123.45, 0)
ですが、10の倍数で切り捨てたい場合は
=FLOOR(123.45, 10)
となります。
切り捨ての基準が違うので、用途に合わせて使い分けることが大切ですね。
つまずきやすいポイントを解消!エラー解決ガイド

「あれ?うまくいかない…」よくあるエラーとそのサイン
FLOOR関数を使っている時に「あれ?なんかうまくいかないな…」とならないように、よくあるエラーを知っておきましょう!
基準値に0や負の数を指定する
基準値に0を指定すると、数値を何で割っても0にしかならないので、結果は常に0になります。また、負の数を指定した場合、Excelでは「#NUM!エラー」が表示されてしまいます。
FLOOR関数の第二引数(基準値)に直接数値を入力している場合は、それが正の整数になっているか確認してください。
もしセル参照を使っている場合は、参照先のセルに意図しない0や負の値が入っていないか確認しましょう。
基準値の単位を間違える
例えば、100円単位で切り捨てたいのに、基準値に10を指定してしまったりと、意図した単位と違う基準値を設定してしまうことがあります。
計算したい単位をもう一度確認して、FLOOR関数の第二引数に正しい値を入力してください。
10円単位で切り捨てたいなら「10」、1000円単位で切り捨てたいなら「1000」と入力すればOKです。
基準値に小数点を含む値を指定する
FLOOR関数の基準値に小数点を含む値を指定した場合、期待通りの結果にならないことがあります。
例えば、
=FLOOR(7, 2.5)
は「5」になります。
これは、7以下の最大の2.5の倍数だからなんですが、ちょっとわかりにくいですよね。
できる限り、FLOOR関数の基準値には整数を使うようにしましょう。
もし小数点を含む値をどうしても使う必要がある場合は、実際に計算される値を確認して、ちゃんと意図した結果になっているかを確かめてください。
FLOOR関数とCEILING関数の混同
FLOOR関数は切り捨て、CEILING関数は切り上げを行う関数です。目的と逆の関数を使うと、当然ながら意図しない結果になってしまいます。
例えば、在庫数をロット単位で管理する際に、出荷可能な最小ロット数を把握したい場合は、FLOOR関数ではなくCEILING関数を使う必要があります。
処理したい内容が
「指定した基準値の倍数以下で一番近い数値にする」
「指定した基準値の倍数以上で一番近い数値にする」
どちらなのかを明確にして、FLOOR関数かCEILING関数かを正しく選びましょう。
まとめ

この記事では、ExcelのFLOOR関数について、その基本的な使い方から、在庫管理、料金計算といった具体的な活用例、さらにはエラー解決まで、幅広く解説してきました。
FLOOR関数は、数値を指定した基準値の倍数に切り捨てるというシンプルな機能でありながら、日々の業務における数値処理の効率化に大きく貢献してくれることがお分かりいただけたかと思います。
- FLOOR関数の基本構文
- 在庫管理での活用
- 料金計算への応用
- 他の関数との併用
- エラー発生時の対処法
FLOOR関数を使いこなすことで、これまで手作業で行っていた煩雑な数値調整から解放され、より正確で効率的なデータ処理が可能になります。
特に、IF関数やVLOOKUP関数といった他の関数と組み合わせることで、その可能性はさらに広がります。
今日からFLOOR関数を活用して、あなたのExcelスキルを一段階アップさせ、日々の業務をよりスムーズに進めていきましょう!
この記事が、あなたのExcelスキル向上の一助となり、日々の業務効率化に貢献できることを願っています。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!
ぜひ、今回学んだFLOOR関数の知識を、明日の業務から活かしてみてください!

